IDA Session Records

井田 昌之の日々の記録。自己紹介等。

KPIとしての「ベビーブーム世代」の消費動向

デフレの懸念があちこちでささやかれている。物が安いという気がするが、同時に買う気もあまり起こらない気がする。こういう「気がする」ということが集まると、一つの消費者動向になる。動向を考えるには、まず、自分は、自分の家族はどういう状況にあり、どういう判断をしているだろうかということをまず考えることにしている。我が家は「ベビーブーム世代」のちょっと下で、いつも兄貴姉貴層のたがいの競い合いを眺めながら暮らしてきた。けれども一時は5世代が生存していた家系?で過去はいずれも世代交替は早い方である。その意味で、我が家の動きは「ベビーブーム世代」と軌を一にしてきた部分もある。

過去の40年の日本の消費ブームは、たえず戦後すぐに生まれた「ベビーブーム世代」を念頭において作られてきた部分がある。おしあいへしあいを繰り返してきた世代は企業にとっては格好のターゲットになってきた。彼らが恋をし、大学へ行き、結婚をし、子供を産み、家をほしがり、車をほしがり、さまざまな消費財をほしがり、旅行をし、そして定年となった。2007年問題というのもあった。年金の問題そして超高齢化社会の課題がある。人口構成ピラミッドとしての課題はしだいにその形を崩してはいるが、この「ベビーブーム世代」への注目は、比較的な容易なKPIの作成に寄与した。これからは簡単な指標は作りづらくなっているのではないか?

自分自身を考えてみて、アメリカとの付き合いが長かったが、2000年に入って急速にアジアシフトした。為替のマジックということがあったとしても低所得で暮らしている人たちと以前よりはるかに接するようになり、家族へそして周囲の人たちへの私の言葉の中には、そんなに高いものを買えない人たちもたくさんいるんだ、そんなに買わなくてもなんとかなる、という響きを持つものがかなりふくまれていたかもしれない。事実、近辺の消費の絶対額はたしかに下がっているような気がする。さかんに新しいことに挑戦し、また海外に出て行った世代がおとなしくなって、減らされた年金の額にがっかりしながらその範囲内で余生を送る、というイメージになるのが高齢化社会の現実であれば、まぎれもなくデフレ要因としてくっきりといろいろなことが浮かびあがることになる。

今の予定では、来年はアメリカとまた付き合うことになるだろう。しかし、どこまで実りのある形で伸びるかだ。やはり東南アジアや他の国々との付き合いの方が、実りがありそうな気が今のところしている。であれば、同じようなことをしても絶対額として小さいままだ。であれば我が家の経済もつつましいものを継続することになるだろうか。

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Written by masa-ida

11月 24th, 2009 at 8:22 am

Posted in 経済

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