文明は破滅に向かって進歩する
さまざまな栄枯盛衰がある。だいたい、人間は死ぬし、機械は壊れる。不滅のものを求めるものもいるし、そんなものはありえないさと達観するものもいる。野心のある若者は、自己実現を追求し、金銭あるいは名誉が幸福そのものだと誤解し、人をけとばしてでも自分の設定したゴールに到達しようとするものも居る。結果ではなく、プロセスにシアワセがあるはずなのに。逆に自分はどうしてこんなに不幸なんだろうとなげくこともある。本当はその時が一番シアワセなときだったのかもしれないのに。
いずれにしても地上を這いまわる我々は自分のできることを成し、挑戦できることには挑戦し、毎日の食事をし、一喜一憂し、生き続けることになる。
失敗作を作ってしまった時、それはダメになる。しかたのない必然である。しかし、成功作を作ってしまっても、それはいずれダメになる。成功した要因そのものが文明の進歩とともに、致命的な欠点になることもある。こんなことしかできない人間だからいとおしい存在なのだろう。うまくいったとしても、失敗したとしても、なんくるないさ、と前を向いて生きることだ。山のような具体的な話を書きたくなるが、それはやめておこう。