IDA Session Records

井田 昌之の日々の記録。自己紹介等。

戦略を書き出すこと、プログラムにすること

経営戦略の成功は、その策定と運用にかかわる個人の能力と大きく関係がある、という立場に居る。そして自然科学的に最適解を決定できるようにするには、Givenのパラメータがとてつもなくすくなく、そして外乱要因が多く、とても普通の意味で戦略のコンピュータ化はできない。状況は刻一刻変わる、考慮すべきパラメータは広がる。
しかし、ビジネスロジックをそのまますなおにプログラムに書き込む方法は存在する。そのためのツールを開発し、それを利用することだ。

以下は、Facebookへの2018年8月25日の書き込みから。トランプゲームの話。

ここではカルキュレーション(Calculation、カリキュレーション)の話をしよう。最初に出会ったのは、1970年代後半、情報処理学会記号処理研究会で、竹内郁雄さんの話から。GPCCはそれから誕生していく。人工知能へつながっていく遊びだと。トランプで遊んでみた。3回に1回くらいしかできない。出来る人は2回に1回以上出来ると聞く。そんなことあるかなぁと思っていた。40年前、若かったなぁ、今考えてみると、当時の頭の中の戦略はずいぶんと単線だった。90年に入るともうやらないし、忘れていた。
4年くらい前、なんとなくぼちぼちゲームでも入れてみるかとスマホのアプリをあさっていたとき、遊べるゲームリストの中に、「カルキュレーション」と書いてあるアプリを見つけた。その言葉に反応した。ダウンロードして遊んでみた。昔の感覚を思い出した。同時に遊びながら自分の戦略感が大きく変わっていることに気がついた。「役割はどんどん変わる」である。4つある山(捨て場、スタック)にすぐに並べられないカードを置いていくが、その時に、置くカードの役割の想定を考えておくが、それが硬直的だった気がする。今は柔軟になった。状況の進行にあわせて、たとえばこの5のカードがすぐに使われる確率はそこまでの状況より少なくなった。なら、最後の5-9-13でもいいかも、ということでその上に別のカードを載せてしまう、とか。
これで自分で驚くくらいに、成功確率が上がった。今朝も2回やってみて、どちらも成功、所要時間もそれぞれ3分程度。山が4つだと100%できることはなく、完全に成功させるには山が11必要という論文(?)を読んだ記憶がある。感覚的には80%くらいは自分では出来ると思う。特に最初の5枚くらいが不運な並びでなければ、あとはできるように感じている。

トランプゲームを遊んでみませんか?そしてそれが成功する確率が増えたら、それをルールに書き出してみませんか?

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Written by masa-ida

8月 28th, 2018 at 9:26 am

Posted in IT

マクベスは何を語っているのか

シェークスピアのマクベス、読んだことありますか?少なくともネットにあらすじなどを書いたサイトもあるので、見てみてください。若い時に私も読んで、その時にはどろどろとした変な話だというくらいにしか感じていなかった。

2017年1月、研究科でMITからパトリックウィンストン教授を呼ぶことになり、その準備やいくつかのアレンジをした。彼とは1984年くらいからの知り合いで、人工知能研究所の所長をしていて、数回の私の人工知能研究所滞在についてもお世話になった。彼の研究関連でもいくつか手伝いになることをしたので、謝辞をもらったりもした。

彼が1月の2回の講演で、いろいろなエピソードの一つとしてマクベスに言及した。聞きながら、彼と人工知能やITの新技術開発についていろいろと話し合っていた中で語り合ったいくつかのことを思い出した。いろいろな細かなシーンが展開される中で、大きく見たときに何の話か?ダンカン王の時代に起こったこと、そして必ずしもそれらの延長ではなく、王子マルコムの時代に入る、そこで物語が終わる。マクダフとその息子は死ぬ。マクベスによって殺害される。マクベスもその子どもも、妻も死ぬ。バンクオの息子は生き延びる。どろどろとした権力争い、功名争い、の詳細がそこにある。

パトリックウィンストン教授が今も頭の中にあるのは、約30年に渡って、MIT人工知能研究所の所長をしてきたこと、その中のそれぞれの意志決定がよかったのか、もっと違ったことができなかったのか、なぜLisp言語が使われなくなっていったかについての本人としての確証を持ちたい、ということが今大きいと私は感じている。そして時代は次の時代へ進んでいく。そんなこと。

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Written by masa-ida

8月 27th, 2018 at 11:02 am

Posted in 経済