IDA Session Records

井田 昌之の日々の記録。自己紹介等。

スマホだけの世界が作る未来

昨日、学生食堂で昼食のときに、久しぶりにあった(文系学部の)先生と一緒になった。とりとめの無い話をしてひとときを過ごしたが、そこでは話されなかった事も含めて、気になったことを書いておこう。

学部の学生を直接担当しなくなって久しい。どんな変化があるか聞いてみた。そこででてきたこと。学生がパソコンを使わなくなった、使えなくなった。ノートPCの所持率が下がっているだろう。デスクトップパソコンなんて強制されなければ使わない。すべてを自分のスマホで扱おうとしてる。。講義資料もスマホでPDF表示、授業中も。ネットで情報をよく見ているし、また孤独でスマホにこもっているというわけではない。SNSをうまく使っている。ただし、自分の近いトモダチだけに限ろうとする。他の世界には防御的になる。日本以外に出て行くなんて、そんな面倒でおそろしいことを。

ITを使って生み出す、知的生産の道具にする、イノベーションの舞台にする。。まったく無くなったわけではない、ただ、スマホののぞき窓で見られる範囲で。どんな機種を買ったらどんな事ができるか、には興味がある。

なんでこんな話になったかというと、10代に対するプログラミング教育の必要性とやり方について。その前にパソコンになじんでいない、がでてきた。そして、多くの若者にはキーボード、物理的なキーボード、は自分が多用する手段としての認識は低い。無いと言ってもいいかもしれない。スマホの文章入力も仮想キーボードは出さず、テンキーのフリック入力で、レポートも作ってしまう。だから、プログラミング教育の重要性の話はすでに高次元の、実際的な選択としては手がとどかない選択肢の話になっている。

要するに、草刈場の消費者という像には間違いない。日本が失速しないように、今からでも何かできるだろうか。

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Written by masa-ida

8月 22nd, 2018 at 8:56 am

Posted in 教育

夏時間の合理性とグローバルIT

日本で夏時間が検討されている。二つコメントを記したい。

一つは、その歴史的合理性である。昔はろうそく、ランプ、ガス灯、などの燃焼型の灯りに多くが依存していた。特に米国ではそのエネルギー源の確保には敏感だったとおもう。ロードアイランドの捕鯨基地だったところの博物館に行った時、そこでの問題は鯨油を取って使うが、それ以外はそのまま捨て去られていたことだった。鯨油は灯り用の燃料として燃やされて利用されていた。ペリーの開港要求は捕鯨船の補給基地のためではなかったか。油をもとめて世界の海へ乗り出した。そして産業革命の成功には灯りを必要とした。長時間労働である。機械は長い労働をいとわないが、労働者には灯りがいる。そして、灯りの供給にはコストがかかる。燃やすのだから常に新しいエネルギー源の確保が必要になる。もし太陽が昇ると同時に働きだせれば、灯りの必要な夜の労働時間は減るから、コスト削減になる。明確に数字が出て、合理性が示される。ばくぜんと精神論的な部分を含んだ朝早く起きようとは全く性質が異なる。夜の灯りの需要を減らそうということ。これはみんな分かるし、やろうということになる。一端はじまったら、その後にはその後の理由付けが生じる、今に至る。今の日本での議論には明確な数字はでているのだろうか?どんな合理性が示されるのだろうか?

もう一つは、グローバルITということ。ITプロダクトはどうやってもグローバルプロダクトとして設計される、たとえローカルな特定リージョンを対象として企画されたとしても。そして、一部地域で成功した商品は、間髪を入れず他の地域の需要にも対応すべき必然性が出てくる。なので、最初からグローバル展開をするように考えた方がいいということになる。オフラインプロダクトでもそうだからネットを利用するプロダクトではなおのこと前提としてといっていいくらいグローバル対応を想定するものが多くなる。そしてリアルタイムの時刻をその機能の実現に利用するプロダクトは数知れない。08151700Zなどという文字列はグローバルに同一時刻を表す名札として用いられることになる。そして、機能が一定になれば、ハード化がされる。C言語でロジックを書いてくれればそういう石を作ります、なんていう高級な話だけでなく、廉価になり大量に普及したデジタル時計のチップには、タイムゾーン対応と夏時間対応機能が組み込まれている。デジタル時計だけでなく、多くの電子機器、電気機器にはデジタル時計チップが組み込まれている。そのロジックはハード化されていて、一時間ずらすという夏時間対応はおよそ組み込まれている。ハード化されコモディティ化されることで量産の効果はあがる。私の買ったばかりの廉価な腕時計もそういう仕様が入っている。二時間ずれるという対応はどうやったらできるか?手作業で日本には夏時間があることにして1時間ずらし、さらに手作業で1時間ずらすくらいしか思いつかない。ワールドタイムの腕時計を使っている人は、しょっちゅう切り替えながら世界中を飛び回っている。存外、その手作業が面倒だから日本には寄らないという心理が起きても不思議ではない、二時間ずれを実施するなら。そういう状況になれば買い換え需要が起きる?そんな殺生な。

明確な目標を持った意志決定、合理的な意志決定は重要。そして、グローバルプロダクトとしてのIT機器・サービスは、全産業的に展開されている、我々の日常生活の基盤にもなっている。

 

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Written by masa-ida

8月 16th, 2018 at 10:48 am

Posted in グローバルIT