IDA Session Records

井田 昌之の日々の記録。自己紹介等。

あきらめないこと、データを大事にしながら道を開くこと

今日のホットニュースは、私にとってはなんといってもはやぶさの帰還である。新聞でもテレビでも、はやぶさが大気圏に突入するときのきらきらした光、そしてはやぶさが、頼むよといわんばかりに切り離したカプセルの一筋の光。そして自分は燃え尽きた。印象的である。さらに、着地の地点が、ほぼ予想した地域の真ん中だという。なんと正確な予想をしたんだろう。はやければ今日の午後にも回収されるらしい。この一連の流れはそれだけをとっても称賛に値する。

あきらめないことは大事だなぁとあらためて思う。自分たちの信念と情熱と冷静な分析と、もくもくと進む、やりがいのある仕事というのはそういうものだ。それは波乱があるときにはっきりとした形をとる。1か月半電波を捕捉できずに、はやぶさが迷子になった期間があったという。そしてそのころ、はやぶさがどういう状態になっていたのか、地球からはなんともわからない期間がつづいたという。まず電波を捕捉することからはじめた。そしてついに捕まえる。状況を把握する。次の手を必死に考える。その手でいいか分析する、その効果を評価する。そういった大変な難題だが、充実した時間をチームのひとたちはすごしたに違いない。

データを大事にして分析すること、これをわれわれ教員は学生に説くことになる。しかし、しばしばそのことが学生に誤った信号をおくってしまったことになるのに気付くことになる。

そう、過去のデータは過去のものであり、今の、しかも未踏の事態には、そのまま適用できると考えるほうがおかしいのだ。対象も時間を追って変化している、いわば生きている。過去の時点でサンプリングしたデータのとおり今も存在しているという保証はない。むしろ変化していると考えるべきである。その中に確かなものを見つけ出そうとする努力。その原動力は何なのか、信念なのか、推理力なのか、それとも愛情と夢なのか。

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Written by masa-ida

6月 14th, 2010 at 11:16 am

Posted in 教員生活

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