IDA Session Records

井田 昌之の日々の記録。自己紹介等。

Archive for 8月, 2018

夏時間の合理性とグローバルIT

日本で夏時間が検討されている。二つコメントを記したい。

一つは、その歴史的合理性である。昔はろうそく、ランプ、ガス灯、などの燃焼型の灯りに多くが依存していた。特に米国ではそのエネルギー源の確保には敏感だったとおもう。ロードアイランドの捕鯨基地だったところの博物館に行った時、そこでの問題は鯨油を取って使うが、それ以外はそのまま捨て去られていたことだった。鯨油は灯り用の燃料として燃やされて利用されていた。ペリーの開港要求は捕鯨船の補給基地のためではなかったか。油をもとめて世界の海へ乗り出した。そして産業革命の成功には灯りを必要とした。長時間労働である。機械は長い労働をいとわないが、労働者には灯りがいる。そして、灯りの供給にはコストがかかる。燃やすのだから常に新しいエネルギー源の確保が必要になる。もし太陽が昇ると同時に働きだせれば、灯りの必要な夜の労働時間は減るから、コスト削減になる。明確に数字が出て、合理性が示される。ばくぜんと精神論的な部分を含んだ朝早く起きようとは全く性質が異なる。夜の灯りの需要を減らそうということ。これはみんな分かるし、やろうということになる。一端はじまったら、その後にはその後の理由付けが生じる、今に至る。今の日本での議論には明確な数字はでているのだろうか?どんな合理性が示されるのだろうか?

もう一つは、グローバルITということ。ITプロダクトはどうやってもグローバルプロダクトとして設計される、たとえローカルな特定リージョンを対象として企画されたとしても。そして、一部地域で成功した商品は、間髪を入れず他の地域の需要にも対応すべき必然性が出てくる。なので、最初からグローバル展開をするように考えた方がいいということになる。オフラインプロダクトでもそうだからネットを利用するプロダクトではなおのこと前提としてといっていいくらいグローバル対応を想定するものが多くなる。そしてリアルタイムの時刻をその機能の実現に利用するプロダクトは数知れない。08151700Zなどという文字列はグローバルに同一時刻を表す名札として用いられることになる。そして、機能が一定になれば、ハード化がされる。C言語でロジックを書いてくれればそういう石を作ります、なんていう高級な話だけでなく、廉価になり大量に普及したデジタル時計のチップには、タイムゾーン対応と夏時間対応機能が組み込まれている。デジタル時計だけでなく、多くの電子機器、電気機器にはデジタル時計チップが組み込まれている。そのロジックはハード化されていて、一時間ずらすという夏時間対応はおよそ組み込まれている。ハード化されコモディティ化されることで量産の効果はあがる。私の買ったばかりの廉価な腕時計もそういう仕様が入っている。二時間ずれるという対応はどうやったらできるか?手作業で日本には夏時間があることにして1時間ずらし、さらに手作業で1時間ずらすくらいしか思いつかない。ワールドタイムの腕時計を使っている人は、しょっちゅう切り替えながら世界中を飛び回っている。存外、その手作業が面倒だから日本には寄らないという心理が起きても不思議ではない、二時間ずれを実施するなら。そういう状況になれば買い換え需要が起きる?そんな殺生な。

明確な目標を持った意志決定、合理的な意志決定は重要。そして、グローバルプロダクトとしてのIT機器・サービスは、全産業的に展開されている、我々の日常生活の基盤にもなっている。

 

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Written by masa-ida

8月 16th, 2018 at 10:48 am

Posted in グローバルIT

価値創出の夢なければITはただのコモディティになる

先日ビックカメラに行った。この猛暑の夏で暑いし、行かなくても良いと思っていたが、家族に誘われていくことにした。といってもショッピングで見て歩く気はあまりしない。あまり面白いものがないなぁと思うから。

一つあった。腕時計をぼちぼち買い換えてもいいかもしれない。今使っているのは10年ほど前に買ったもので、時計としては全く問題無く満足しているが、留め金がおかしくなっているとか、いろいろ小さな事に問題がでていて、だましだましこの数年使ってきた。デジタル時計、CASIO Lineage。当時2万6千円だったかで購入。

スマートウォッチを孫たちには買ったりしたが、自分としては機能をチェックできればそれ以上のものではない。だいいち、字やアイコンは小さすぎて読めないし、目に悪すぎる、タッチ操作するにも小さすぎる。そして腕に常時しておくには重いし、大きすぎる。機能も不要というか使うというまでにはピンと来ない。で、チョイスとしては、今使っている腕時計の後継機でいい。問題なし。

似たような時計は山ほど売っている。どれでもいいように思える。けれども、私のこだわりが一つある。チタン製であること。なんであんな重いステンレス製のを腕に巻いている人が多いのか気が知れない。実際に比べてみればすぐに分かる違い。材料費がステンレスだと大幅に安くなるのでステンレスを売った方がメーカにメリットがあるだろうという程度しか違いが思いつかない。高級な、というより高価なデジタル時計には結構チタンが使われているが、日常品といえる価格帯でも結構存在する。Lineageはその一つ。

何でもアマゾンで買えるようになった。価格もそっちの方が安かったりするし、だいいち、家まで翌日とかに届けてくれる、これなら小売りを席巻しないわけがない。今そうなってる。Lineageの候補となる機種も見てあって、定価からの値引きもされていて、2万3千円くらい。だから、量販店とか小売店とかに行く気はしなかった。

でもまぁ運動と思って、ビックカメラの時計売り場へ行った。ぱっとしない、しかし昔から存在している時計売り場の一番よくありそうな陳列品を見て回る。私の希望するようなものは見当たらない。4社くらいの売り場を見て、それで帰ろうと思っていたら、カシオの販促員が声かけてきた。Lineageの陳列棚を見つけた。あった!その中に対象となりうる商品が2つ並べてあったのを見つけた。あるんだなぁ。2つとも彼が出してくれて、比べた。即購入!安い方。しかも、定価2万7千円に対して、赤札で41%引きと書かれている。1万5千なんぼ。その近辺にあるのは皆そんな位の赤札が定価にならんできれいにつけられている。メーカとしては処分品なのだろう。売り場で一時的につけられた正札ではない。ショージキ言うと、あと2,3千円高くても買っただろう。カシオは損したよ。私は儲けた気分。

数ヶ月前に家族用のノートパソコンを購入しに、秋葉原に行った。小雨の降る日。中古あるいは新古品にねらいを定めて。Windows10でマルチコアでメモリも4GB載っていて、2万円ほど。即購入した。元気に今も毎日毎日何時間も使われ続けている。

高価格のiPhone X、売上げは予想ほどの規模でないようだ。ユーザの財布の底が見えた、といった論評も見える。少なくともワクワクするような新しい機能が見えない。スマホもコモディティ化して、価格の勝負になってきているのでは?妹に頼まれてスマホを探したが、結局ヤマダ電機のEveryPhone EN。本人が求める機能を十二分にもっている。実用上十分だし安い。1万円。SIMも月千円台で本人もハッピー。

ハードだけでなく、ソフトについても、たとえば小規模事業所が買うようなオフィス関連ソフト、価格は上がらない。それどころか安い方に流れる。ウェブサイトの制作費、これも昔の価格からは大きく下がって、ある意味安定した。

以前、政治家が「ITによってインフレ軌道に」と言った。現状の日本のITまわりの様子なら、ITがインフレのドライバにはならない。似た機能、似た仕様をもとめるだけなら、市場は飽和しているというべきで買い換え需要は常に低価格化を指向する。むしろデフレドライバだ。

そう、価値創出、イノベーションのドライブ、新しいビジネスと市場を開拓しようとして、などなどということがなければ、ITはハードもソフトも単にコモディティとなる。夢を持とう!それをITで実現しよう!なら前に進める。

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Written by masa-ida

8月 14th, 2018 at 12:38 pm

Posted in 経済

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