IDA Session Records

井田 昌之の日々の記録。自己紹介等。

Archive for the ‘経済’ Category

賛成7反対6棄権2は可決?否決?

2016年4月7日、セブンイレブン社長の交代人事案を票決する、セブン&アイホールディングスの会議で、この「賛成7反対6棄権2」が生じ、この結果、「賛成少数で否決」と新聞で報じられた。

ときどき、重要な会議で紛糾する「例の」問題である。「過半数」の取り決めとしては、全部並べれば3通りになる。まず、有権者の過半数、そして、投票総数の過半数、最後に、有効投票の過半数、である。普通は、投票総数の過半数なのか、有効投票の過半数なのかが争点になる。厳密に投票権者それぞれの意思表示が重要ということであれば、有権者の過半数、ということが解釈になる。憲法改正などに必要な過半数は、「有効投票の過半数」である。

白票もしくは無投票・棄権は有効投票に含まれないのが普通のはず。セブンイレブンの場合には、「棄権」とあるから白票でもなく文字通り棄権、すなわち投票辞退とかをしたのだろう。遠慮した、あるいは投票することをパスした、というのであれば、それは、カウントに入れないでください、という意味だとおもう。それであれば、過半数を勘定するのに、そうした棄権が影響することはおかしい。この立場だと、「賛成7反対6棄権2」は、有効投票13票、そのうち賛成7票と解釈されるはずだから、「賛成多数で可決」となる。

しかし、このケースでは、「賛成7反対6棄権2」であるから「賛成少数で否決」となっている。この場合には、棄権は「弱い反対」として機能したことになる。別の言い方をすれば、「明確な賛成が多数でなければ可決としない」ということでもある。会社法的には、たとえば株主総会での過半数は出席株主の過半数だ、とされている。有効投票ではない。

これらが総体的に意味することはなにか、ということが気になる。要するに、現状を変更しようなどということは、絶対的に過半数がないとしない、という考え方ではないか。賛成が絶対的に多数でなければ、現状変更はしない、というのが基本ということになる。あぁ日本。

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Written by masa-ida

4月 8th, 2016 at 11:12 pm

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TiSA議論と日本の位置

TiSA(Trade in Services Agreement) についてのFacebookでの議論の中から、2015.6.18

『井田:Mass Marketと政府の認識、という側面を見てみると、H26予算では、経産省の情報関連予算は400億円強、総務省の情報通信関連予算は1700億円強、 いずれもその他の予算もあるでしょうが、そういう数字が報告されている。その全体の市場規模はいろいろな見方があるが、その10倍とか20倍とかにはなる でしょう。これにはいわゆるエンタメ市場は計測されていない。文教予算は微々たるものでは。そして、外務関連では、どう統計をとっても日本は輸入超過。一 方で特に新興国からは、日本の高品質生産を学べという方向性はありがたいことにまだまだプラス。海外からはそんな関係から,現実に日本製のソフトのソースを見たいという要望は根強いと感じます。一方、日本はそのくらい残してよ、それが最後の砦だよ、みたいな位置づけになるのでは。交渉の場では、そうした要因もでてくるかと。

A氏:「秘すれば花」、という文化的背景が影響してますでしょうか。

井田:そんな美学が関係する場合ならまだかわいいのでは。衰退へのおそれ、失速への恐れ、そして、現実に日本が置いて行かれた分野が多数。なんとかしなければなのか、それとも「日はまた昇らない」なのか、意識の課題も感じています。そ の上に、簡単にセキュリティが突破され、かつその利用者全員のリテラシーが問われる事件がこのところ起きている。道具はスマホをはじめどんどん進化してい るが、日本国内の利用者の情報リテラシーとクリエイティビティは反比例して落ちている、ということにならないといいが。

B氏:高齢化も進んでるし,日本はユーザ専門になっちゃってるんじゃないでしょうか.昔からITには近付きたくないという丸投げ文化の国でしたし(笑).

C氏:日本全体がユーザー専門になってるとは思わないですが、使う人と作る人の分離が大きい国なのだろうとは思います。
ああ、それで義務教育でプログラミングを学ばせるという理屈なのですかね。うがった見方をすれば。』

いずれにしても、ソフトウェアの「貿易」は、完全に輸入超過。

 

 

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Written by masa-ida

6月 19th, 2015 at 9:34 am

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