IDA Session Records

井田 昌之の日々の記録。自己紹介等。

Archive for the ‘グローバルIT’ Category

国勢調査

国勢調査の準備が町内会関連で始まったらしい。昔は調査員が決まって、それで近所を一軒一軒歩いて確認して調査を進めた。今は違うやり方になったそうだ。郵送を基本にするらしい。時代の変化を感じる。

この話を聞いたときに、10年ほど前にエクアドルのキトに行った時のことを思い出した。1週間ほどの滞在、アメリカに飛んで行ってから、その夕方の飛行機でフロリダからキトへ飛んだ。長旅である。2回目だったかの時に、ある朝、HCJBゲストハウスの管理のおばさんが、「明日の朝は全員玄関の外にでないといけない。必ず。それをしないと私があとで罰せられるので、必ず協力してほしい」という。なんで?って聞いたら国勢調査。翌朝、調査表用紙が配られた。食事が終わるころまでにボールペンで簡単に記入。パスポートの情報や滞在日数とか、滞在のビザは、とかそういった情報。9時になったので玄関の前にでた。ゲストハウスに居た7,8人すべて。高校生くらいの女の子が来た。A4くらいのサイズのボードを持っていて。一人一人調査表をわたし、そこで確認がおこなわれた。ごくごく短期の旅行者もカウントされる。その年のエクアドルの住民?の1人としてカウントされた。こんなもんなんだなぁ。

ちなみに、玄関の前、通りとの間には金網。調査員とは金網越し。これが普通である。通りの角には、町内で雇った、マシンガンを肩からかついだ警備員が立つ。同時に、子供たちは路上でなんのくったくもなく普通に遊んでいる。標高3000メートルの町、ある日のキトの思い出である。毎日オフィスで、仕事。世界中どこへ行ってもたいしてかわらない。高山病にはついにならなかった。週末に街に出て、なんともいえない美しい、しかし私にとって不思議な町、また行くことはあるだろうか?ときどき思い出す。

コメントする

Written by masa-ida

5月 27th, 2010 at 4:50 pm

ネットの真価

指導中の博士の学生に触発されて、アマゾンで中古で出ていた、「ネットの真価」ISBN4-492-55411-4東洋経済新報社を購入した。著者はジョンヘーゲルとマークシンガー(小西龍治監訳)。価格は9円プラス郵送料340円。太陽堂書店の出品である。本はちゃんと届いた。

まず、原文のタイトルが気に入った。Net Worth: Shaping Markets When Customers Make the Rules。タイトルに著者のコンセプトの中核がきれいに入っている。情報の非対称性と規模の経済の組み合わせが変化していくとき、市場とはどんなものになるか、その実験を今我々は進めていると考えている。この本は、1999年に出版されたが、日本語版は2001年1月の出版とある。特に日本でのITバブル崩壊期にぶつかったためか、当時はあまり評価されなかったように思う。

ネットにおいても情報の非対称性はある。売り手は、必然的に、買い手より多くの、そして正確な情報をもっている。しかし、売り手よりも買い手の方がより多く持っている情報がある。どんなものを買いたいのか、これには潜在顧客と呼ばれる段階では、買い手にはわからない、ということがある。究極、想像ということ以上のものは持たない。買い手が買ってくれて初めて、売り手には買い手の情報が入手される。同時に、売り手も消費者である。消費者と顧客との属性の違いの間になにができるか、おもしろいところである。

ネットで失敗をしたことがある。北海道の業者から碁盤を買った。厚手の良い感じの碁盤。写真もある、情報もちゃんと載っている。それらにはいつわりはなかった。値段も手ごろ。取引もちゃんとしている。出品情報の表示の中にサイズが書いてあった。しかし、写真などからあまり気に留めなかった。届いた。さっそく使ってみた。19路の碁盤、一番外側の部分に石を置くと、かろうじて乗るだけだというのを発見。周辺部に戦いが行くと、最大限に注意をして、そっと置かないと、打った瞬間にその辺の石に接触してぼろぼろとこぼれてしまう。これにはまいった。気がつかなかった。盤面のサイズが全体に5ミリずつくらい小さいのである。もともとのちゃんとした碁盤を、側面を削ってきれいにしてある感じ。使えないわけではない。うそがあったわけではない。情報のクオリティと買い手の弁別力。これはネットだからどうのということではない。しかし、世界中の人の間でとりひきができるような時代、もっとこうした問題は表面化する可能性はあるのではないか。

コメントする

Written by masa-ida

5月 5th, 2010 at 1:11 pm