IDA Session Records

井田 昌之の日々の記録。自己紹介等。

TiSA議論と日本の位置

TiSA(Trade in Services Agreement) についてのFacebookでの議論の中から、2015.6.18

『井田:Mass Marketと政府の認識、という側面を見てみると、H26予算では、経産省の情報関連予算は400億円強、総務省の情報通信関連予算は1700億円強、 いずれもその他の予算もあるでしょうが、そういう数字が報告されている。その全体の市場規模はいろいろな見方があるが、その10倍とか20倍とかにはなる でしょう。これにはいわゆるエンタメ市場は計測されていない。文教予算は微々たるものでは。そして、外務関連では、どう統計をとっても日本は輸入超過。一 方で特に新興国からは、日本の高品質生産を学べという方向性はありがたいことにまだまだプラス。海外からはそんな関係から,現実に日本製のソフトのソースを見たいという要望は根強いと感じます。一方、日本はそのくらい残してよ、それが最後の砦だよ、みたいな位置づけになるのでは。交渉の場では、そうした要因もでてくるかと。

A氏:「秘すれば花」、という文化的背景が影響してますでしょうか。

井田:そんな美学が関係する場合ならまだかわいいのでは。衰退へのおそれ、失速への恐れ、そして、現実に日本が置いて行かれた分野が多数。なんとかしなければなのか、それとも「日はまた昇らない」なのか、意識の課題も感じています。そ の上に、簡単にセキュリティが突破され、かつその利用者全員のリテラシーが問われる事件がこのところ起きている。道具はスマホをはじめどんどん進化してい るが、日本国内の利用者の情報リテラシーとクリエイティビティは反比例して落ちている、ということにならないといいが。

B氏:高齢化も進んでるし,日本はユーザ専門になっちゃってるんじゃないでしょうか.昔からITには近付きたくないという丸投げ文化の国でしたし(笑).

C氏:日本全体がユーザー専門になってるとは思わないですが、使う人と作る人の分離が大きい国なのだろうとは思います。
ああ、それで義務教育でプログラミングを学ばせるという理屈なのですかね。うがった見方をすれば。』

いずれにしても、ソフトウェアの「貿易」は、完全に輸入超過。

 

 

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Written by masa-ida

6月 19th, 2015 at 9:34 am

Posted in 経済

教えてはいけない

アドラーに学ぶ部下育成の心理学 小倉広著 日経BP社
ISBN978-4-8222-5030-0 2014.8初版 よりメモ

ほめてはいけない。ほめるのではなく、「勇気づけ」という方法がある。
しかってはいけない。しかるのではなく、「勇気づけ」により、育てる。
教えてはいけない。教えるのではなく、判断を相手にさせる、時には失敗を経験するのもあり、別の方法を示すとか未来に起こりうることを質問するのもあり。

人材育成に関わる5つのキーワード
劣等感と優越感、勇気づけ、共同体感覚、結末を体験させる、課題の分離

ほめてはいけない
あなたは社長をほめますか。ほめるのは上位者が下位者に対して行なう行動。ほめることは上下関係をすりこむことになる。役割上の上下はあっても人としては対等。
子供に対するコントロールはある程度可能。しかし、だんだん成長して、コントロールされることをいやがるようになる。コントロールしようとすれば信頼を失う。リーダーシップとは、集団を一定の方向に導くこと。
勇気づけとは、相手が自分の力で課題を解決出来るように支援すること。感想や主観は横から目線で伝える。困難を克服する力を与えること。
ほめるは、中毒患者を作り出すことがある。ほめられることに依存する子供。勇気づけで自立を促す。

しかってはいけない
人は自ら良くなろうと努力する。人生のあらゆる課題は次の3つ:仕事の課題、交友の課題、愛の課題。困難に直面したら、逃げるか立ち向かうかのどちらかの反応。課題の難易度が高く、勇気が欠乏していると、不健全な言い訳を作る。病人や弱者ほど強いものはいない。病人は家族や周囲を思うままに操ることが出来る。人間は時として進んで病人になる。勇気の欠乏を補う、助ける。ダメだしの指導は勇気くじきにつながる。しからないことが甘やかしにつながる落とし穴。
勇気づけながら指導する基本形:主観伝達と質問。もうひとつは誘い水指導。意見が出てきたら指導する側は自分の意見を引っ込める。小泉首相「感動した!」。怒りは二次感情で、別の一次感情がある。原因分析は犯人捜しとつるし上げにつながる。ソリューションにフォーカスすると職場は活気づき、明るくなる。多くの場合、職場の管理職は、直感的に原因が推測できる、そしてそれはあたっている。原因分析はこっそりと少人数で。部下をしかるときは人目の無いところでこっそり、ほめるときはみんなに聞こえる大きな声で、上司術の基本。

フィードバックとフィードフォワード
「出力された結果を原因側である入力へ還元させる」と「未来の変化を予測してあらかじめ対策を打っておく」
フィードバックするなら、まず事実を、次に主観を、そして、評価、提案、命令の順。できれば最初の2つまでで止める。フィードフォワードで未来を見せてあげる。こんなのじゃだめだではなく、このやり方だとこういうトラブルが起こるかもしれないよ。

教えてはいけない
指示をするから指示待ちになる。経営者が次から次へと指示をだすと、部下は指示待ちになる。社員はそれに従うしか方法がない。上司がしゃべりすぎるのも同じこと。
教えずに空白を作り、部下たちの手でその空白を埋めさせる。自分の頭で考え、自分の意思で行動する社員を育てたいならあれこれと教えてはいけない。

ティーチングとコーチング
ティーチングでは正解を教える、コーチングは自分で解決できるよう支援する、そして双方向だ。時と場合によって、これを組み合わせる。教えないことの基本形は、Whatは一緒に設定するが、Howは部下に委ねる。教えないことをしっかりと事前告知するのが重要。
「知識・技術」中心から「姿勢・意欲」中心へ

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Written by masa-ida

3月 18th, 2015 at 10:20 am

Posted in 教育